タナイスの一種①

特徴

(写真:2020年3月中旬、三番瀬で採集。全長約3mm。名前といい、形態といいヘンテコな生物だ。目盛りは0.5mm)

レア度:? 節足動物門 軟甲綱 タナイス目 学名:? 英名:? よく見られる季節:?

種類不明。2020年3月の三番瀬で、水中に漂っていたシオミドロのような海藻を採集したところ、その海藻にたくさんくっついていた。まだ小さな生物に対して知識がなかった私にとって、タナイスという生物を知ったのはこの時が初めてでだった。

詳しい人によるとこのあたりで見つかるのは「キスイタナイス」という種の可能性が高いとのこと。確かに素人目にも「キスイタナイス」に似ていると思う。

個人的には面白い見た目をしている生物だなぁと思う。ロブスターのような頭とハサミ、体はシャコのようで、体の後端の節(退化的な6腹節)はクモの腹のような形をしている。この姿を見て、漫画「ハンターハンター」のキメラアント編で登場したトラウマ敵キャラクターを思い出してしまった(私だけ?)。

体をひっくり返すと、頭部(頭胸甲)から折りたたまれた大きな1対のハサミが生え、それに続く6つの胸節から脚が1ずつ対、体の後端の退化的な6腹節からは4~5対の毛のような触角のようなものが生えているのが確認できる。また今回採集した個体の腹側には卵と思われる白い物体を抱えていた(下の写真参照)。

以下に、『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』の『タナイス類』の解説を引用させていただく。

『軟甲綱 タナイス目 Tanaidaceaに属する甲殻類の総称。一般に体長 2~5mmで、例外的な大型種は約10cm。外形は等脚類に似て長い円筒形、あるいは背腹にやや扁平で、頭部とほぼ同大の6胸節、退化的な6腹節からなる。

眼は有柄であるが不動。第1脚は必ず鋏を形成し、雄の鋏は大きい。続く6対の脚は歩行用である。

ほとんどが海産で、沿岸から浅海にかけては海藻の根元や、岩礁に固着したカキ、フジツボ類の間にすむ。深海底に生息する種も知られている。約 500種で、5科に分類されている。』

(2020年4月)

(2023年12月)

頭(頭胸甲)はロブスター、体(胸脚)はシャコ、お尻(腹節)はクモって感じだ。目盛りは0.5mm
体をひっくり返すと、頭部(頭胸甲)から折りたたまれた大きな1対のハサミが生え、それに続く6つの胸節から脚が1ずつ対、体の後端の退化的な6腹節からは4~5対の毛のような触角のようなものが生えているのが確認できる。また今回採集した個体の腹側には卵と思われる白い物体を抱えていた
こちらは2020年4月下旬に上の写真の個体と同じ場所で採集した別個体。全長約2.1mm。生きた状態で撮影。おそらく同じ種類だと思う。目盛りは0.5mm
こちらは2020年5月下旬に河口付近で採集した別個体。全長約1.7mm。生きた状態で撮影。たぶん同じ種類だと思うが(信用しないでね)、上の写真の2個体と比べると体全体が詰まったような感じで、体色もやや黄色っぽい。目盛りは0.5mm
同個体を横から撮影。動き回るのでマイクロスコープ下での撮影はなかなか苦労した。目盛りは0.5mm