ニホンスナモグリ

特徴

(写真:2016年8月中旬、三番瀬で採集。体長約6cm。黄白色の体に著しく大きく発達したハサミ脚(第1胸脚)が印象的)

レア度:★★★★★ 節足動物門 軟甲綱 十脚目 スナモグリ科 学名:Callianassa japonica 英名:Ghost nipper よく見られる季節:?

(同定にちょっと自信がありません。他の資料も参照してください)

体長5cmほどまで成長する。内湾の海底が砂泥の場所に深さ30~50cmの穴を掘って住んでいるそうだ。私は生物採集の時に穴を掘るということをほとんどしないので、8年間でニホンスナモグリを見たのは一度だけ(写真の個体は2016年8月中旬に三番瀬で会長が捕まえてくれた)。もう少し底質が泥っぽい場所で、砂を掘って探せばもっと見つかるのかもしれない。

変わった見た目をしているなぁと思う。最大の特徴は左右で大きさが著しく異なるハサミ(第1胸脚)だろう。大きい方のハサミは重くて邪魔にならなのか心配になってしまうほどだ。調べてみると、右のハサミが大きかったり左の方が大きかったり個体によって違うらしい。

体色は半透明の黄白色で、内蔵が透けて見える。頭胸甲は円筒形で腹部は平たくエビのよう。体は柔らかく、体の各節の繋がりも脆そうで、そっと扱わないとちぎれてしまいそう。体型はエビ型であるが、分類学的には異尾類(ヤドカリ類)に属する。

ちなみにニホンスナモグリは、近縁種の「スナモグリ」と一緒に「ボケ」と呼ばれ、釣りの高級餌として扱われている。「マダイ」や「クロダイ」「スズキ」、カレイ類などに効果が高いらしい。

(2020年2月)

(2024年1月)

左右で大きさが著しく異なるハサミ(第1胸脚)。それにしてもデカい。プラモデルのような質感だ
体は柔らかく脆い。この個体は胸脚がいくつか取れて無くなっている