コウダカアオガイ
特徴
(写真:2020年11月上旬採集。貝殻の直径約3.5cm、高さ約1cm。生きた状態で撮影。夜に高洲のテトラポッド帯で発見。名前の通り貝殻に高さがあるため遠目でも目立つ。目盛りは1cm)
レア度:★★★★☆ 軟体動物門 腹足綱 カサガイ目 ユキノカサガイ/コガモガイ科 学名:Nipponacmea concinna 英名:? よく見られる季節:?
最大で貝殻の直径が3cm前後になるようだ。つまり発見した個体は最大サイズということか。
コウダカアオガイは北海道南部以南の潮間帯の岩礁やテトラポッドに生息するそうで、浦安では海沿いの潮間帯のテトラポッドに張り付いているのを時々目にする。陸から見える範囲ではあまりたくさんいるという印象はない。見つけたらラッキーという感じ。
写真の個体は2020年11月上旬の夜間(潮位が100cmぐらいだったかな)、浦安の高洲のテトラポッド帯を散策していると、干出したテトラポッドにはりついていた。夜だったので十分探しきれていないが、周囲には同じ貝は2個体しかおらず、そんなにたくさんいる貝ではないのかもしれない(浦安では)。
貝殻は楕円形で「典型的なカサガイ」といった感じ。貝殻の直径が3cm前後に対し、貝高は1cmを超える。殻頂は前方に曲がる。名前の通り背が高く、野外で遠目で見てもよく目立つ。
貝殻にはほとんど模様がなく、全面暗緑色のものがほとんどだそうだが、中には模様があるタイプもいるとのこと。また貝殻表面には小さな粒が並んでできた筋(放射肋)が密に並んでいる。貝殻自体は硬いが、貝殻の縁辺部は脆く欠けやすい。
貝殻の内側は縁辺部が黒褐色でそのさらに内側は薄いねずみ色、中心付近は褐色に色づいている。
体(足)はオレンジがかった明るい黄色~肌色で、内臓と思われる部分は濃い深緑色をしている。
(2023年8月)
採集する
(写真:自宅水槽のガラス面に張り付くコウダカアオガイ。ぴったりと全身をくっつけている。体の左端部には丸い口が見える)
潮がよく引く時間帯を選んで、テトラポッド帯を探すのが第一候補か。個人的には、高洲側のテトラポッドの方が貝類が多く生息している印象がある。
張り付く力がとても強く、素手では中々はがせないので、薄いナイフや金属のヘラがあるといい。剥がす際は貝殻の縁辺部が欠けやすいので注意が必要。
またテトラポッド帯は足場が悪く非常に危険なので、滑らない靴(靴底がフェルトスパイクや「ハイパーVソール」の靴など)を履くことを強く勧める。また濡れたり、海藻が生えているテトラポッドには絶対乗らないこと。
毎年テトラポッドで転倒し、骨折、溺死などの事故が多発している。
飼育する
(写真:2020年10月下旬撮影。自宅水槽1号にて。コウダカアオガイ?と「アミメハギ」)
飼育…というか、とりあえず採集したものを自宅水槽1号に入れている(入れてから2週間経過)。採集したときは水の外に出ていたが、水槽に入れて2日後あたりからはずっと水に浸かっていることがほとんどだった。貝から何か匂いでもするのか、同居中の「アミメハギ」がやたら気にしていた。
「もしかしたらガラス面に生えた茶ゴケを食べてくれるかも!!」と思ったが、残念ながら食べている様子はない。おそらくこの水槽では食べるものがないのだろう。少し可哀想だが、もう少し見守って、弱ってしまったら、茹でて味を確かめてみたいと思っている。
(追記:2020年11月25日)水槽のガラス面に生えたコケを食べてない思っていたが、よく観察してみるとガラス面についたコケに削れたような跡があることに気がついた。どうやらコケを食べてくれているようだ。綺麗さっぱりにとはいかないが、少しでも食べてくれるなら嬉しい限り。私が知る限り、浦安の海の生物で、水槽のガラス面に付いたコケを食べてくれる生物はなかなかいない。
(追記:2020年12月1日)水槽へ入れて2週間ほど経ったある日の朝、水槽のガラス面からはがれ落ちて死んでいた。原因は不明だが、やはりエサ不足のような気がする…。申し訳ない。合掌。