ウグイの幼魚?

特徴

(写真:2020年6月下旬採集。全長約3.5cm。「ウグイ」の幼魚だと思う(自信がない)。「ウグイ」というと川魚のイメージがあるが、この幼魚は河口付近で採集した。「ウグイ」には一生を河川で生活する淡水型と海へ下る降海型がいるそうだ。目盛りは5mm)

レア度:? 脊索動物門 条鰭綱 コイ目 コイ科 ウグイ属 学名:Tribolodon hakonensis 英名:Dase よく見られる季節:?

(同定に自信がありません。他の資料も参照してください。間違っていたら教えていただけると嬉しいです)

※以下、本種を「ウグイ」の幼魚と仮定した解説です。

2020年6月下旬、中程度の青潮が発生した日の夜に、河口付近で10匹ほどの群れでいるのを発見。この時期にはハゼ科魚類の稚魚・幼魚、「スズキ幼魚」など水中の上~中層を泳ぐ幼魚がたくさん見かけるのだが、なんとなくそれらと泳ぎの違う小魚の群れがいたので、網ですくってみると「ウグイ」の幼魚だった(自信がないが)。

「ウグイなんて海にいるわけないじゃん」と思う人もいるかも知れないが、東京湾奥では海釣り公園などで時々釣れたりするし、実際「ウグイ」の中には海へ下る降海型の「ウグイ」もいるそうだ(今回捕まえた幼魚が降海型の「ウグイ」なのかは不明だが)。

また東京湾奥にはウグイに似た「マルタ」という魚もいて、こちらは沿岸部から河口付近に生息しており、春になると産卵のために川を遡上する(この時期に「スズキ」のルアー釣りの外道として頻繁に釣れることでも有名)。「ウグイ」の仲間は繁殖時期になると体が派手な婚姻色になり、それが「ウグイ」の種類を見分けるのに役立つのだが(「ウグイ」と「マルタ」の婚姻色の違いについては調べてみてください)、ただそれは成魚の場合であって、今回採集したような幼魚だと見分けはなかなか難しいようだ。

私にはさっぱりだったのでインターネットを徘徊していると、北海道の行政機関?が発行しているパンフレットに幼魚の見分けについてちょこっと書いてあった。それによれば、「マルタ」の幼魚は「尾びれ基底部に三角形の暗色斑がある」と書いてあり、今回見つけた幼魚にはそれが見られなかった。

またそれに加え「マルタ」の方が目に対して頬の面積が広く目が小さく見えることからも(「ウグイ」の方が目が大きく見える)、今回の幼魚を「ウグイ」と判断した。他にも、背びれの前方に並ぶウロコの数でも見分けることができるらしい(「ウグイ」は29〜37枚で、「マルタウグイ」は34〜41枚)。

色々書いてしまったが、私は「ウグイ」に関して全然知識がないので、是非とも他の資料を参照することをオススメする。

(2020年6月)

「ウグイ」の幼魚(と思われる)。体は明るい褐色で、頬から腹部、そして体側の中心が銀色の色素で覆われている
目に対して頬の面積が小さく、目が大きく見える
頬から腹部、そして体側の中心が銀色の色素で覆われている
背びれは縦に長い。この辺の魚ではあまり見ない形だ。川魚っぽさがある
尻びれ
尾びれ。近縁種である「マルタ」の幼魚の尾びれ基底部には三角形の暗色斑があるそうだが、この尾びれにそれは見られない